2024

今年、何も記事書いてなくてびっくりした。千と千尋とかゴースト&レディとか書き始めてたのはあったんだけど書き終わらずに放置してあるねぇ。書きたい!の衝動が長続きしなかったんだな。ということで今年はまとめ記事のみ。長い。

 

1月

カウンドダウンミュージカルコンサート2023→2024

配信視聴。めっちゃ好きな面子だなぁ?(甲斐くん、晴香ちゃん、saraちゃん、東くん、平間くん、宏規くん、ウィンくん、屋比久ちゃん、海宝くん)出演者発表のポスター?チラシ?で海宝くんがなぜかスラッシュ区切りされててなんでかと思ったらアテプリ準備で難しいかもって話だったんだけど、昭和と平成…?若手ミュージカル俳優ではない…?って流れた憶測が面白すぎて本人も把握しててMCでも触れたの笑っちゃった。登場もODMのマリウスパートだったから本役のはずなのにあまりにも強くてラスボスみたいだったわ…www でもこのオープニングにODMはインパクトあったしこれはなんか良いもの見れる気がする!ってなった。そう、なったのよ。だからってまさかの幾千万の群衆の中なのよ。まさかでしょ。アナスタシアからの楽曲なんて過去への旅か俺のペテルブルクだと思うじゃない?幾千万〜がくるなんて望みすぎな夢だと思ってたからイントロでハ…?って声出たし嘘でしょ!?って動揺したしそのまま固まって泣くしかなくて、だって大好きなアナスタシアの、1番大好きな晴香アーニャと海宝ディミトリだよ?無理だよ。しかも台詞付き。そう、曲中に台詞があるからこの曲やるのは難しいんじゃないかなぁと思ってたのに。パッとやるには積み重ねてきた先の曲だから劇中と同じには見えなかったけど、なんか本編のそのあとの2人が思い出話してるみたいに見えた。たぶんね、海宝ディミトリの「皇女様」に含み笑いみたいなちょっとした企みが見えたからかなぁ。もうほんと可愛くて困る。

そんな幾千万〜で放心してたらウィキッドのFor Good、n2nのI'mAliveって続けてきていや待ってまだ飲み込めてない待って無理って唖然呆然。誰このとんでもないセトリ作ったの…!?陽射しの中へにトドメ刺されました。ありがとうございました。カウンドダウンまでのあいだの2023年メドレーがとても良かった。あーいうのありなのね。

ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2024

テリーさん来る!アラジン聞きたい!最後の怪人だー!でチケット取ってたら、ケリーさん!?ローラ演ってたトニー賞主演男優賞受賞の人!?でとんでもない現場はじめすることになりました2024。2部マジでお口あんぐりしっぱなしだった。基本的にミュージカル素養がないから知らない曲も多いんだけどこんだけ誰も彼も上手い凄いとんでもないだと関係ないということが分かる。分かるうえで本役の曲がくるとやばいの上乗せが物凄くて役を生きてるこの人たちが見てみたくなった。アンコールのキンキーブーツめっちゃテンション上がった。

アナと雪の女王

初めての1階席でセンター2列目は迫力が凄すぎた。やっぱLet it goの強さったらない。

イザボー

根本のシャルルが母の人生を回想するという構造がいまいちハマらなくてイザボーだけを追う脚本で見てみたいと思った。もしくは回想するにしても時間軸の違うところに干渉しない感じが良いというか。あのおふざけ感が苦手。あとなんで開演前の演出でいきなりコール&レスポンスさせられるの…?とか。若干むぅ?って始まりだったんだけどオープニングの演出がぐるぐる回るセット、歌い繋ぐプリンシパル、全員うめぇーーー!でテンション上がった。掴みが天才。そんでセンターから現れる望海イザボー、強すぎる。やっぱとんでもない0番の人だ。

理生さんの正気と狂気の狭間の芝居の迫力が凄くて、この人が正気のままでいてくれたらイザボーにとってずっと優しくて暖かい存在で一緒に国を守ることが出来たのかなぁと思った。理生さんのあの優しさ素敵。ある意味優しい気もするチャラいルイな上川さんはこんな役の幅もあるんです…!?って新鮮さで大変ときめいた。あれはときめくだろ。あとラップっぽい歌とか聞いたことないジャンルまで滑舌が完璧で全て聞き取れるという驚き。マジでこっちもとんでもない人だな。石井さん、中河内さんまで含めてこれまで本当に男性陣が全滅くらいのブリリアでまともに聴き取れる人たちばっかりで凄かった。女性陣ではイザベルを中心にキーになる人物でたくさん登場する大森さんが良かった。歌も台詞も澄んだ声で時に突き刺すように鋭さが増すの。そこにジャンヌダルクをみせるエグさよ。

ウィキッド

千秋楽。当たったときひっくり返るくらいビビった。当たるんか、千秋楽って。

 

2月

ATTENTION PLEASE!2

アメリカ航路石丸さん回とヨーロッパ航路ヤンさん回。つまんなかった、は言い過ぎなんだけど去年の楽しさからは何割減かなぁ…。コンセプチュアルな1部の作りが好みじゃなかった。知らない曲が多かったのもなんだけど、前回以上にコント?のとこ面白くないし(堀川さんでも村井くんでもそのくだりいる?ってなって…せめて時間半分以下にして…)客席通路使うのもあんまりなぁというか。感染状況知ってる?って。こういうとこでね、どうしたって終わりに出来ない側は齟齬が生じるよね。ウィキッドメドレーは好きだった。タイムリー。石丸さんの愛せぬならばは嬉しかったなぁ。お城が見えたよね。本当根っからの貴公子でプリンス。

2部は結構楽しかった。海宝くんチャレンジコーナーはジャズとオペラが見れたんだけど圧倒的にオペラが上手かった。ジャズはなんだろう、上手いんだけどそれは歌が上手いのであってジャズか…?と言われると隣でEmaちゃんがガラッと変わるから違うよなぁって。私はずっとEmaちゃんみたいな佇まいの女の子に憧れている。あとはヨーロッパ航路がまさかの君夢でビックリして、いや本役やってませんよね!?って背景がみえるのに慄いて、なんならそこに転がったビクター見えたし笑って首差し出すタイプだし…え、重い…。で、本役いつですか?通います。

ミッキーみたいな海宝くんから始まるアンサンブル勢のディズニーメドレーはやっぱり実家だったし、エリック王子は嬉しかった。かっこいい。今回から参加のダンサー2人が華やかで、あのレベルのなかですら目を見張るほど上手いの凄かった。踊り始めると目が引っ張られるのよ。凄い。

アラジン

生き返った…。ほんと何観ても面白くない、までは言わずとも全然満足感がなくてこれは良くないって状況だったんだけど、オープニングから全て吹っ飛ばしてもらった感じ。なんて楽しいんだ…。お前どこから泣くの?ってドあたまから泣いてて1幕終わりで放心するくらい楽しくて、なのにまだパレードもAWNWもあるとか何のご褒美…!?って感じで圧倒的多幸感。ハッピーエンドじゃなきゃね!ふふふ。

岩城ジーニー、立崇アラジン、竹内ジャスミンってみんな初めて観るキャストだったんだけどみんな良かったぁ。立崇アラジン、坊ちゃん感あるのなんだろ。アラジンはラストシーンのジャファーに帽子取られたところからが真骨頂だと思ってるんだけど、このアラジンめちゃくちゃ企むじゃんー!?ってちょー新鮮だった。悪い顔したー!「僕を信じて」がすごく好きなトーンで、竹内ジャスミンの「なんだか分からないけど、信じるわ」もすごく良かった。竹内ジャスミン好きだー。"自ら考え、その上に立つ"がシンプルに強いお姫さま。スッっと表情をなくすなかに冷静さが見える。良い。

ヤマトタケル

團子くん回。あのね、物凄いものを観たよ。團子くんが凄いということをまざまざと見せつけられた。若さからの積み重ねと苦悩が必要なこの役、今は若さに比重が寄るけどそこの輝きが凄かったし、今でこんなに凄いとすると再演繰り返したら恐ろしいことになるでしょ。立ち回りのキレが流石だし期待しかないわ。姫二役の米吉くんは可憐な美少女から妖艶な女性まで美しさに磨きがかかりまくりでこの人も本当に凄い。派手な演出も多いし面白かった。

 

3月

三月大歌舞伎

夜の部。初めて歌舞伎座の花外座ったかも?幸四郎さんと菊之助さん良かったー。菊之助さんのちょっとしなだれるような弱腰な感じ、歌舞伎美人のみどころ読んだら"柔弱な色男"って書いてあったのになるほど!ってなった。柔らかい品の良さ素敵。愛之助さん久しぶりに観たなぁ。

メディア/イアソン

ギリシャ悲劇なんてきっと分からんと思ったけど話の流れは普遍的なところも多くて怒涛の台詞に圧倒されながら結構面白く観れた。演劇観たーって感じ。シンプルな舞台美術と照明で影絵みたいな演出が良かった。

メディアとイアソンな奈央ちゃんと芳雄さんは若さから年を重ねた幅の広い見せ方が上手い。奈央ちゃん、前に見た恐るべき子供たちも熱に浮かされたように引っ張っていく言葉が凄かったけど今回も見事に連れてかれてスッとそこに居るだけなのに存在感が抜群なのよ。子供たち3人は他の役も担いながらくるくる違う表情と仕草でアクセントを加え続けててセット転換とか小道具の扱いまで大活躍。器用すぎる。舞台上がシンプルだからこそ小道具で見せる役割が面白かった。まぁ、なんでライオン被ってるの?の三浦ヘラクレスのちょっと抜けてるおばかっぷりとか面白かったけど。メディアの弟役の可愛さ…あざとさ?天然なんだよね…?っていうタチの悪さから、メディアを問い詰める青年も凄く良かった。この3人の子供たちは切なかったなぁ。お姉ちゃんはなぜ喋らないのか、影のなかにいるのか。お兄ちゃんと妹のやり取りは終始可愛くてずっと見ていたいのに待っているのは恐ろしく残虐な悲劇なんだ。

ジーザス・クライスト=スーパースター

観終わったあとに改めてこのタイトルを見てそこにイコールなんだ…って慄いた。スーパースター。祭り上げられたもの。とはいえこの話を理解するにはもうちょい予備知識というか素養があると良いんだろうなぁ。ついていけなくはないんだけど掴みにくいというか。アンサンブルさんたちの動きが凄かった。ぞわぞわ。

千と千尋の神隠し

環奈千尋と醍醐ハク。月9始まりそう…と思った。なんていうの、キラキラ感?前回観た萌音千尋と三浦ハクとあまりにも作画が違ってびっくりした。あと1階の後ろからだとこんな感じだったのか…!って絵がいっぱいあって演出が変わってるとこも勿論あるんだろうけど俯瞰で観れて面白かった。

川栄千尋と新井ハク。アンダーキャストの日を、出るよね?出るよね…!?って念じながら取ってたからキャスト発表されて喝采を上げた。新井ハク!新井ハクだよ!これが驚くくらいめちゃくちゃ良くて本当に最高だった。川栄千尋もめちゃくちゃ良くてこの2人のバランスすごく好き。川栄千尋が驚くほど子供なんだよね。ちょこまかしてる。それに優しく接する新井ハクがそこにストンと居る表現が大好きだった。あの世界のなかで異質なハクを浮いたままふわりと舞わせたのが三浦ハクなら、空っぽを自覚しながら地に足つけたのが新井ハク。ハクってこんなに違い出るんだ…!?ってびっくりしたもん。千尋と接する新井ハクは視線も手元もすごく優しいんだけど勿論それだけじゃなくて暗がりも鋭さもあるのがすごく生きてた。おにぎりを泣きながら食べる千尋の涙を指に掬い上げてふいに疑問符を浮かべた表情とか、瀕死で帰ってきて釜爺のところで気持ちを吐露しながら見せる無防備な表情とか、帰る千尋に振り返るなと言いながら一欠片だけ覗いた振り向いて、とか芝居が好きすぎる。なんて好みな余白を作ってくれるんだろうと思ったよ。

4月

美女と野獣

初めてセンターブロックから観たら楽しさと情報量が段違いでびっくりした。そしてお噂はかねがね、飯田ビーストの深くて良い声に響いてくる歌の強さ…!凄い…!ずっと愛せぬならばって唐突だよなって思ってたんだけどなんか有無を言わさず納得させられた。歌の力…!

5月

オペラ座の怪人

高校の芸術鑑賞会で観てるはずなんだけど場面ごとの記憶が全くなくて実質初見だった。これこんなに面白いんだね!?地下に行く場面こんなに早いんだ?とかファントム気持ち悪っ!とかなかなかに新鮮だった。ツッコミどころ満載なのにとにかく音楽が強くて納得させられてしまう。ファントムもラウルもつよつよなのにそれに勝ちに行くクリスティーヌ凄かったわ。

CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ

木内ニコロ、梨里香アーシャ、畠中アルマンド。 公式のあらすじと人物紹介から思い描いた話と微妙に違うものを出されてうーん?となった。アーシャがパガニーニのことを教えて!って来るのは良いけどそこで語られる半分以上は一緒にいるじゃん?何を知りたかったの…?あとアルマンドも小さい頃からニコロのことを知ってます感出してるけど、そもそもお金に困ってそうなあのお家に執事はいないだろうし、結構有名になってからの付き合いなんじゃないの…?とか初っ端このへんに引っかかっていまいち入り込めず。回想する話にしなくても良かったんじゃ…?とはいえ出演者全員歌が上手くて声の重なりが綺麗だったのは良かった。相性が良いね。

木内ニコロはただの家族想いの良い子で、才能がないことに気付ける才能があるのが哀しくて、母さんにもう少し才能があれば分かるんだ!って言うのが切なかった。そんなに自分のこと追い詰めなくていいよ。小さな町の小さな神童がどうして出来ないんだ、どうしてどうして…って出会ったのがあの悪魔だったのは強烈な光だったし惹かれてしまう、魔が差しての契約だったことがすごくわかるんだよね。開き直ったかのような勝ち誇る強く顔が良かった。木内くん、マジで歌上手くなったよね。深くてまろやかな声が伸びる音の最後にくるのすごく好きだった。

ゴースト&レディ

最っ高に面白かった。あらすじ読んだときにワクワクした気持ちが劇場で何倍にも何十倍にもなって返ってきた感じ。とりあえず1幕観て幕間で次のチケット手配して2幕観て泣いて大満足して更に次のチケット手配した(…ん?)。真瀬フローと萩原グレイが初見だったんだけど谷原フローもめちゃくちゃ良かったし、萩原グレイはずっと恋。恋でしかない。ありがとうございます、そこ沼です。デオンの2人もかっこよすぎて剣さばきに惚れ惚れした。とにかくこの御伽話のようなお話しが大好き。

BLACK SMITH -ブラックスミス-

人間讃歌?神殺しでは?というエグみをひとさじ。それでもそうか、人間讃歌か、と思えてしまうのが竹村さんのお話しだなぁと思う。西分さんの役に泣きじゃくられるとこっちも泣くしかなくなるから困るのよ。師匠を信じたその先で、人に頼って頼られて生きていくんだろうな、なんてことが素直に思えるのが凄い。そんなに純粋なとこ自分に残ってたんだ、というか。鍛治師たちはよくもまぁそんなにバリエーション作ったな!?っていうここも竹村さんの話あるある。農具組にやられました。あんなのおたく皆んな好きだろうが???(高飛車な振りして良い子なお嬢とそれを知ってて駆け回る身体能力激高従者)。伝七、とにかくずっと飛んで跳ねて動いてるのにトドメに咥えタバコのアクションってどういうことよ?とんでもないわ。

ナビレラ -それでも蝶は舞う-

三浦宏規バレエ発表会、もしくは韓国版生きる。とはいえ生きるにするとしたら認知症の扱いが雑すぎて川平さんの芝居は良かったことを差し引いても無理だった。ここで恐ろしく冷めた時点でだめよね。チェロクが発表会に出ることを懇願するシーンから完璧に決めてくる発表会、エピローグでの泣き崩れるあたりは良かったけどそこはもうそう行くしかない王道展開だからなぁ。宏規くんのバレエはとっても良かった。ずっと足元を見てしまう。

6月

殺文句

はじめましての柿喰う客。若干予想はしてたんだけど、これは合わねぇー!体調悪いまましっかり仕事しちゃった週末に行った影響もありそうだけど言葉の奔流がただただしんどかった。とにかくうるさい。全員ががなるように喋ってそこそこ聞き取れるのは流石だったけど、そもそも金取ってんのに聞き取れないほうがまずいし金返せ案件だからこれは当たり前として、開始3分で諦めた。これは徹底的に相性が悪い。一言も喋らないのにうるさい玉置くんの身体表現とか凄かったけど次は劇団以外のとこで観よう。

六月大歌舞伎

夜の部。襲名披露は華やかで良いよねぇ。

南総里見八犬伝、若手中心のだんまり。花道から出てきたみっくん、背中が無茶苦茶かっこよくてびっくりした。あんなに広かったっけ。駕籠から出てきた米吉くんは大変美少女でした。可愛い。みっくんの悪の華ー!でキャッキャッしたと思ったら二役目もかっこよくてずるかった。あとその美少年なんです?米吉くん。良すぎでしょうよ。

山姥。劇中口上。梅枝さん改め時蔵さんが美人すぎて美人…!本当に綺麗な人よね。

魚屋宗五郎。獅童さんこういうだめな旦那リアルだよね。そんで七之助さんのしょうがないねぇ…を引き出すのが上手い。相変わらず何も解決してないし若い女の命なんて軽すぎのペラッペラよ…!と思ったけど一瞬どえらい顔の良いお殿様に免じて許しそうになった(隼人くん)。いや許さないよ!?家老の亀蔵さんも恐ろしくシュッとしたハンサムだったけどね…!?

ゴースト&レディ

金本グレイはじめましてー!全っ然違うじゃん。めちゃくちゃフローのこと煽るし、おもしれー女!ってなってるし、やんちゃで陽の気が強い。そんなグレイが1幕ラストで"気付く"のがとんでもなく良くてお前それはずるいよ。そして瀧山ホールもはじめましてー!週の前半ジーニーで後半ホールってどうなってんの…こわ…。静かな威圧がめちゃくちゃ怖くて絶対こんな上司はいやだ。

鉄鼠の檻

怒涛。とにかく怒涛の情報量にしがみついてぶん回されて小西京極堂かっこいいー‼︎に翻弄されて帰着する。さすが原作鈍器。とんでもなかった。これでも原作読まずで何とか繋がったし分かったけどお坊さん達は誰が誰!?ってなったかな。名前の口語と字面が繋がりにくいんよ。

で、2回目行ったら綺麗に分かったぁーーー!ってなってめちゃくちゃ面白かった。1回目、やっぱりラスボス戦前で結構消耗してたんだなって思ったよ。あそこのぼやっとしたとこがスパンッって通ってカタルシスー!だった。ドセン最高。小西京極堂のあまりのかっこよさ。本当にハマり役で仏頂面なのに敦子に優しいお兄ちゃんなのがときめく。可愛い。あっちゃん鳥ちゃんの女の子コンビも良いし、絶妙な不安定さのままストーリーテラーも担う関口くんな神澤さんの力量も凄い。榎木津は…榎木津だったね?(熱帯魚にされた) あの人の"みえてる"はそこにフォーカスされないからいいんだろうな。救いたい人で救いたいから衝動で飛び込もうとする京極堂を止めるし、どこかにストンと落ちそうな関口を引っ張るのも榎木津だもんね。

松原さん、畠中さんって年長組がとにかく良くてお歌上手いし芝居はバチバチだし言うことなし。松原さん、歌もだけど台詞の口跡が本当に綺麗で良かった。畠中さんはCROSS ROADがとにかく不満だったから(この人こんな扱いでいい人じゃないんですけど…?ってずっと思ってた)「はいはいー」って出てきてからの2幕がもう最高でこれこれこれーーー!ってなった。あのよく分からん集団のなかでさえ異質さを出せる存在感、明瞭な台詞で通じない対話、あんな爺さんから出てくる歌声じゃないよ!?を逆手に取ったかのような表現の強さ。私の観たかった畠中さんこれ!!!ってバチッと来た。最高。前回の魍魎の匣のときも駒田さんがめちゃくちゃ良かったから期待してたんだけど余裕で期待以上だったわー。

おちょこの傘持つメリー・ポピンズ

はじめましてのテント。あっつい!暑い小屋のなかで繰り広げられる熱量のとんでもない話だったけどストーリーは全く分からないいつもの唐さんだった。全然分かんない!でもなんか凄い!中村勘九郎寺島しのぶ豊川悦司なんてこの距離感で観る役者じゃないよ。オーラが。すごい。夢か幻かみたいな空間と、舞台後方が開けて飛び回る勘九郎さんに、あ、知ってる、と思う瞬間がハマって何か惹きつけられる面白さだった。

7月

ゴースト&レディ

薄々感じてて違う組み合わせを経てからもう1回観て確信したんだけど、私、初見の真瀬萩原が1番好みだな…?初っ端で大当たり引いてるってどんだけの僥倖よ。そりゃ一発で好き!!!だよ。萩原グレイが永遠に恋で困る。匙加減の問題だと思うんだけど真瀬フローに対してのほうが甘くない?谷原フローだともうちょい対等というか。あと萩原グレイの手が物凄く好きで、「どうぞ?」というように差し出すような仕草とかもう少し上のほうで翳すような仕草がたまらん。クリスマスのダンスシーン、フローに差し出す手がめちゃくちゃ優しくて優雅でこの人はこの所作を芝居から身につけたんだろうなと思った。

初めて前方席で観た谷原フロー、萩原グレイは繊細な表現まで全部見えてこんなに惹かれ合う2人の絆は本当に素敵だと思った。不思議な絆めちゃくちゃ好き。「もう分からなくなった」ってフローはあんなにボロっと泣いてたんだね。でも絶望には足らない、グレイは信じたんだなぁ。あとエイミーが可愛くて可哀想で頑張ってるよ!!!って励ましたくなる。1人でさ、どうしようって泣きたくなるの、あんな極限の現場で何も出来ないの当たり前だから追ってると気持ちが分かるのね、本当上手いよね。あとはもうアンサンブルさんたちまで見ようとするようになったら忙しくて!ちょいちょいお酒飲んでる看護師さんがいるのは知ってたんだけど、ラッセルに「飲む?」ってしてて笑ったw

七月大歌舞伎

夜の部、裏表太閤記。面白かったー!序幕は放蕩息子のにやへら顔のみっくんがキリッとなる瞬間がものすごく良かった。あれずるいよね。本当みっくんの芝居好きすぎる。幸四郎染五郎の親子役もめちゃくちゃ良くて、染五郎くんこういう芝居もこんなに良いんだな…!ってハマりかただった。若者の、若者だから出来る必死が凄く良かった。あとはそんな、澤瀉屋の綺麗どころ2人並べて…!とか思ってないよ。笑三郎さんも笑也さんも美人すぎんのよ。二幕ラストの本水も楽しかったー。歌舞伎座であの量は初めて見るかも?楽しそうに水蹴散らしてくれてね?もっとやれ。大丈夫だ、だいたいワンピース歌舞伎よりとんでもないのはそうそう出てこないと思ってる。

それにしても大詰、マジで"猿"だから西遊記が始まって大混乱だっていうのに音だけだと最遊記のほう浮かぶからやめて…!?ってなった。外伝とか夢オチにしたくなるからさ…!?(泣いてる)そんでラストの舞踊の目の足りなさは異常だった。どこ…どこ見ればいいんですか、全員見たい…!5分割の巨大モニターどこ…!(それは嵐)

ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録-

大人計画の人たちの安心安定な土台から繰り出されるアウトローの手前とエグみ好きー。とはいえ、昔に書かれた本だなぁとは思った。あと年々無理だなぁと思う場面が増えてる、かな。華ちゃん、ゆきのちゃん、穂香ちゃんって女の子たちがみんな可愛くって上手いのはとっても良かった。三者三様の声の通り方がめちゃくちゃ好き。ゆきのちゃんの韻踏みながらの長台詞凄かったねー。1人で全部背負ってた、やばい。

8月 

アラジン

大好き!楽しいー生き返るー。こないだホールで観たはずの瀧山さんがそれはそれはやりたい放題にみせかけて素晴らしい緩急のジーニーやってて本当凄かった。立崇アラジンはめちゃくちゃ順応性高いよね。平田ジャスミンはひとつひとつの表情と仕草から沢山みせてくれるの好き。

八月納涼歌舞伎

第二部梅雨小袖昔八丈 髪結新三、艶紅曙接拙 紅翫。人気演目のお芝居と若手の踊り。夏っぽい。勘九郎さんの新三はもちろん、勘九郎・巳之助の師弟関係が良かったのと、まぁじで憎めないのにやってること無茶苦茶で美味しいとこ全部持ってく彌十郎さん最高だった。あの勘九郎さんと彌十郎さんのやり取りの痺れること!かっこいいー!

第三部狐花。狐面被って水色に彼岸花模様の小袖着た七之助さんなんてずるすぎるだろうが???もうこの立ち姿(背景彼岸花畑、古びた鳥居の連なり)で勝ちだったよ。それは好きだよ。お話しとしては面白かったけど(ちょっと本気でかずきが書いた?とは思った)基本的に速い展開の話じゃないから場転ごとで途切れちゃうのがもったいないなぁと思った。この辺が新作っぽい。

空中ブランコのりのキキ

めちゃくちゃ可愛くて、切なくて、やっぱり可愛いお話しだった。幕開きでお話しに引き込んでくれる瀬名さんが凄く良くて、あの視線の投げ方とか誰も置いてかないよ、ついてきて、ってちょっと茶目っけが覗くところとか大好き。サーカスはわくわくするよねぇ。そしてそこにパッと出てくる咲妃みゆちゃんの可愛さ!顔ちっっっさ!本当に童話のなかから出てきたみたいだった。でも哀しいくらい空中ブランコしかないの、と言い張る様子が痛々しくて、絶対にそんなことないのに本人が全く信じてくれないから飛んでいってしまうのを見届けるしかない。悲しい。ロロのほうがね、現実的だし生きて!ってそれしか言えないけどそれだけで良いんだよって強いんだよね。サーカスに逃げ込むのが妹のためなのが切なかったなぁ。優しいんだよね。ピエロは泣きながらとてつもなく誰かに優しい。

キキとロロ、ピピと象なみゆちゃんと広大くんがとにかく可愛くてたまんなかった。ピピが少年に見えるの不思議だったなぁ。帽子可愛かった。あんな仕草ひとつ、表情と翳りで少し浮いたような儚い存在感をみせてくれる。象の耳がぱたぱた動くのも良かったー。ちょっとキラキラした神秘的な白い象。キキとロロはとにかくパタパタしてるのが可愛くて思い合ってて仲良しで嬉しい。ずっとそのままの2人でいて欲しかったのにね。ロロがキキを守るようにパッと手を繋いでたり、そのままで良いんだよって伝え続けたり、すごく大事なんだなぁって思った。本当可愛かったなぁ。今年の可愛いカップル優勝。この文章一体何回可愛い出てくるんだ。

そしてたまたまそこそこ前方の通路横の席だったから客席登場してチラシ配りするキキとロロからチラシもらえたの。わーい。広大くんお目目大っきいな。キキが「なんか、みんな、いっぱい貰ってくれる…」って言ってるの可愛かったし面白かった。そりゃ貰うわw

The Reunion

ラミンー!JCSコンサートでの衝撃の出会いから前回の来日コンサートが中止になって、やっと!念願の!コンサート!物凄く楽しかったし圧倒された。私、今、生で、ラミンのバルジャン聴いてる…!ってあの高揚感は凄かった。そもそもアールのジャベールが物凄くてそことの"対決"ってもう良さしかなかった。レミゼほんと曲が強いし歌声の相乗効果が半端ない。

破門フェデリコ〜くたばれ!十字軍〜

蔵之介さんかっっっこいい…!と、栗原さん素敵…!がめちゃくちゃに堪能出来る。クイズという名の頭脳戦と多国語を操る文のやりとり、面白かったぁ。あといけすかない権力者の嫌な顔させたら六角さんの右に出る者なしでしょ。このやろう、お前のせいだ!

そんな破天荒無茶苦茶で誰にも理解されないけど平和を目指すフェデリコ蔵之介さんを父に持ち、あれはお前の担当って権力主義最高腐った猊下六角さんのところと板挟みにされるドイツ王たっちゃん。可哀想なくらい存在感がなくてなんでカテコで蔵之介さんと並ぶのかと思ったよ。ここを演るなら福士誠治中村倫也か。設定盛り盛りというか取ってつけたようで居ても居なくても話進みそうなヒロインは那須さんが流石の上手さでカバーしてたもんな。それにしてもあそこに関しては脚本が雑だった。面白かったけどもやもやも残ったから難しいなぁ。

ゴースト&レディ

真瀬萩原のときは足して良しの法則です。真瀬フローやばすぎたよ…?1幕の最初あんなに低めの声で歌ってたっけ?あと生オケじゃないのに音源操ってんのかってくらい前とテンポが違う気がするというか本当に少しのニュアンスの差だと思うんだけど全部合ってるの何…?凄すぎる。可愛さは健在だけど強さの見え方が違って熱量がとんでもなかった。こんなの不思議な絆も偽善者と呼ばれてももやばかろうと思ったら強さ大爆発したあとの偽善者と呼ばれてもがさ、さぁ撃てばいい、で優雅に広げた両手、微笑むような表情にふわりと乗せた柔らかい声がきて度肝抜かれた。本当にそこに、その表現を持ってこれる技量よ…!こわかった。覚悟を決めたフローはどこまでいってしまうのかと。でもグレイとデオンが姿を消したところからずっと泣きじゃくっててもう声とか出なそうなのに今なのよ、の絶唱からグレイ…ってあれ本当に囁くように言った…よね…?本当に息をのむ、呼吸を忘れるってこれだった…凄かった。

萩原グレイはよく笑う気がした。ちょっとやんちゃに寄ったというか。真瀬フローが変わったからかなぁ。この質感が変わるのが楽しすぎてね、その時その時で出てくる100%が違うって凄いよね。あとカテコラストが可愛すぎて愕然としたんだけど、フローとグレイが下がっていって、フローがグレイの服ちょいちょいって引っ張ってパッと両手広げて首傾げたら、グレイもパッと両手広げて笑ってて、迷わず飛び込んだフローが完全にグレイに抱きついてて(両膝曲げて浮いてたから飛び付いただよな、あれは) 着地した一瞬で照れ隠しにパッと顔背けてさっさと引っ込むグレイに、あっ!って止まって投げキス飛ばして見てなかったぁってあちゃあって顔してシーッって片目つぶるフロー可愛すぎるでしょ…。ほんとに可愛さ詰め込みすぎてて死んでしまうよ…?

6月の頭に観たきりだったから3ヶ月近くぶり?2回目の金本グレイはガラ悪すぎてびっくりした。え、あの陽でやんちゃなグレイどこ行ったの!?全然違ってびっくりしたわ!めちゃくちゃキレてるし全部引きずったまま持ってて燻ってるし、なのに不思議な絆で"気付く"のは一緒なのお前ーーー!襲われたフローがアレックスに助けられるところの「なんであいつが?」のあと不機嫌そうに背中を向けてそこの葛藤から不思議な絆にくる流れが最高だった…諦めてた願いが蘇る…叶うはずのない夢…グレイが見つけた光り。ここ、この見え方したの初めてでスッと歌詞が入ってきて驚いた。良すぎる。金本グレイ、こことラストが良すぎん?我が処女作ゴースト&レディ、って、グレイは何度も何度も自分のなかだけで上演したものを、やっと、やっと誰かに、観客に、私たちに観せられたんだなと思った。そこからの「フロー!見てたか?」が良すぎて、見てた、届いた、って。グレイはフローには見てもらえないって諦めと、でも上演出来た満足と、もう会えないって寂しさと、全部感じて舞台を見上げて下りていく。下りた後ろ姿を見守るような、これをやりたかったんですか?って聞いてくれそうなフローの少しだけ微笑んだ表情が無茶苦茶良かった。

瀧山ホールの低音の響きがかっこよすぎてそれはずるい…!こんなに嫌なヤツなのに…!ってジタジタしてたらカテコのハケる寸前に小っちゃくお手振りしてくれたり真顔で手ぐるぐるして出てきたり(フローとグレイが呼び込むのにしてた)そんなお茶目なギャップずるすぎるだろ!好き!

母と暮せば

再々演。また質感の違うもの出てきたなぁ。これはどうしても初演の良さが忘れられない。たぶん今それを観ても駄目なんだけど、あのときに観てるから物凄く刺さった作品なんだよね。

9月

8月のほう普通に外れて追加公演へ。とんでもないてんこ盛りセトリで、フランキーヴァリに始まりエルファバ、アラジン、クリス、ルキーニ→ヴォルフガング→トート→ヴォルフガング、ビースト、カジモド、スキンブルシャンクスってそもそもの持ち役も強けりゃマジで全部歌いこなすし上手すぎてびっくりした。昆ちゃんジャスミンとの行こうよどこまでもなんてご褒美すぎて泣いたわ。ミュージカルと近いステージングだったのもすごく良くてセットが全部思い浮かんでもうだからアラジンは本当好きすぎてハッピーエンドで泣くやつだから…!MCで昆ちゃんがこう(くるっと素早く)やってって指導されましたって言っててそれやりたい小林さんもやってくれる昆ちゃんも可愛かった。

とにかく歌うと圧倒的に強くてどの役の姿も浮かぶのに、良い意味でどこか染まりきってない部分があるのが面白かった。でももしかしたらそれって今だけなのかもなーとも思うし、これからどんな役と出会っていくのか楽しみ。とはいえMC割りとぼろっぼろだったから次は頑張ってくれwww 飾らない素敵さもあるけど明らかに喋れてなくてwww ぺらっぺら喋りまくる芳雄さんとか海宝くんにまでならなくていいけどマジで喋らずずっと歌ってていいぞ、と思ったw

ゴースト&レディ

真瀬萩原のときは足しても良い法則…とか言ってたら9月頭で東京公演完売したよ。ひえー。傑作ですものね。金本グレイ挟むと萩原グレイ超優しくて驚く。恋。

やっっっと観られた谷原金本ペアは(このときで2週目?とかのはず)なんか知らない味した!うまい!って感じで、とにかく谷原フローから感じるか弱さが新鮮だった。絶望のどん底でで覚悟が決まって目が強くなる過程が見えたんだけど、そのあともずっと弱さが覗いて本当に少しずつ強くなって奇跡の夜にのリプライズでグレイにそばにいる、待つって言われて最後のピースがカチッと嵌まる感じ。だからホールからの手紙に怯まないしあの強さで対峙できる。グレイのほうが絆されてんなって感じで2幕フローと視線を合わせるようにかがみ込むのめちゃくちゃ良かった。

バサラオ

評判悪すぎてハードルを下げに下げまくって観に行ったらこんなもんかーって感じだったけどハードル下げまくらなきゃいけない15000円超えにはだいぶ嫌気さした。期待爆上げだった発表のときのテンション返して?新感線まで、中島かずき脚本いのうえひでのり演出まで疑わなきゃいけないのしんどいわ。

とりあえず豪華絢爛ピカレスクロマンが大嘘すぎる。あんなダッサイ衣装で豪華絢爛は笑わせる。特に主役2人がどれだけ着替えてもダサい。最後のがやっと普通だったけど普段ならあれが初手でそこから豪華に乗せてくじゃん?どうしたの?全くワクワクしなかった。ストーリーもサキドがヒュウガの目に惑わされて口付けをしてってあたりで諦めた。これはネタもの。歌って踊るしなんか明るいギャグだよ。極悪非道の生田斗真見せてくれ。最終的に天魔王さまだったしそれは口説きじゃん?と思ったらそのまま口移しするしあそこから叫び一言バンッと暗転で終わりとか〆られてなさすぎてビックリした。いやヒュウガもカイリも何したかったん…? ヒュウガのこの顔で天下を取るは、うん、で?ってなっちゃって、あまりにも天下取りから遠いところから話が始まるから(鎌倉ではあるけど女に囲まれてパリピしてただけだよね?)そこに説得力がないのよ。そんなことが出来るのか面白いからやってみようってほど世俗に興味あるかコイツ?だし。カイリもなんで朝廷のイヌになって、なんであのタイミングで唐突に辞めて、ヒュウガを探しに行ったのか分からん。殺して止めなきゃいけないほどの危険人物にも見えないけど?(村焼く男に耐性ありすぎ)カイリがヒュウガに惹かれて魅せられて、小さい頃からの愛憎で殺しに行くんならまだ分かるんだけどそこに自覚がないからって女の話が出てくるのはエピソードとして弱すぎるしつまんない。ストーリーの起承転結のなかで起で躓いて結に納得出来なかったらそりゃ破綻するわ。承転に至っては長すぎるし。あとここ!って絵面がなくて新感線なのに川原さん以外あまりにアクションにキレがないように見えたのビビったわ。あんなスピード感ないことある?出ハケ動線と人数の動かし方の問題?斗真は立ち回ると華があるのは分かるし、倫也の軽やかさも良かったけどそれが今回の役とリンクしてるかと言われると、えーと。朝廷のイヌ設定何に活きてたの…?というか2人とも頭がキレるって設定でよく言われてたけどそうは見えなかったな…新感線のキャラクターとしてあのくらい普通では…?というか賢さって言語化すると薄っぺらさが凄い。行動でそうは見えないって思ってて台詞にしてるんならそんな設定やめちまえ。

唯一テンション上がったのはサキド様なりょうさんの登場シーンで川原さんとカナコさん従えてるのめちゃくちゃかっこよかった。あそこだけ団扇振りたかった。ダンスバトル始まるやつでしょ?

ファンレター

上演決定のときに物議を醸したのを嫌な引っ掛かりで覚えてて、それでも面白そうだなぁと思って行ったんだけど、うーん、面白い!このシーン!って言われているところほどさっぱりだった。ネタバレ見ないで行って!って言われてたのもだいたい公式のあらすじに全部書いてあるしあれが全てでは…?ってなったし。セフンとヒカルの表裏一体、イマジナリーフレンド?二重人格的な?そこはツッコむな?鏡合わせの2人から力を解放していくようなヒカルの強さとかは好きなんだけど、多分これはストーリーが好きなんじゃなくて晴香ちゃんの芝居と圧倒的な歌声に心奪われてるだけなんだよなぁ。ストーリーに戻るといやだってセフンじゃん?って現実になるから、うーん。ファンタジー好きなくせにこういう設定好きじゃないよね。あとユンの立ち位置がよく分かんなくて引っ掻き回すのかと思えば中途半端だしヘジンとの関係性も演出の意図が分かんなかった…味付けが迷子…。

海宝セフンはこれまで見たことない役だなぁって新鮮さはあったし可愛いなぁって感じもさりげないメロディが本当に綺麗なところもさすがだった。ヒカルとの背中合わせも真っ向勝負のような歌い合わせも、表現が好きな2人だから凄く良かったけどそこの切り取りだけなんだよなぁってところが哀しい。海宝くん、生来の明るさが透けてるから本当同じ意味で浦井くんまでやらないと出てこない部分ありそうだけど浦井くんあまりに生気なくてそれはそれでそこまで…?ってなって難しい。これだけ繊細だと本当バランスだよなぁ…なんとなくセフンは内藤くんが似合うんじゃないかと思った。

アラジン

バサラオくそつまんねぇ、ファンレターもなんかいまいち…で、ゴスレまで遠くて途中で鬱憤晴らしにアラジン挟んだ。さいっこう!やっぱりハッピーエンドじゃなきゃね!

デビューすぐだったらしい本城ジーニーがそれはそれはてんこ盛りの盛り盛りに演ってて超楽しくて、ジーニーってまだこんなに遊べんのか!ってびっくりした。盛り盛りだったけどそれが話を邪魔してるわけじゃなくて絶妙な塩梅なのが良いんだよね。立崇アラジンも良かったー!牧野ジャファーの悪人笑いは響き渡るし、カシームオマールバブカップの遊びも多くて色々すっ飛ばしてもらった。ありがとう、死にたくなった時ももう無理‼︎ってなった時もとにかくアラジン観に来ればいいって思ってる。

10月

JIN AKANISHI LIVE 2024 WEEKEND

相変わらず照明演出が天才な仁くんライブ。はじめましてな東京ガーデンシアターだったんだけど、どう考えてもこの規模でその量の照明は使わないし、その2曲だけぇ!?の装置にそんなに照明乗せないんよ。あとオケの人数がアリーナ。よく見る人数いる。豪華だな!?そんな豪華さを背負える赤西仁は最高にかっこよかった。身長問題で3分の1くらい見えなかったりシルエット多用なのにめちゃくちゃかっこいいの本当ずるい。

美女と野獣

飯田ビーストと平田ベル芝居がうめぇ。こんなに美女と野獣で泣いたことないのにポロポロしてた。

APOCADENZA-アポカデンツァ-

壱劇屋さん。夏の九十九をコロナで逃したのでちょっと久しぶり。階段世界のスピンオフ的な位置付けの作品だったんだけどとにかく内容詰め込みまくり、それにしては主人公が自分のことを喋らない、パーツごとは面白そうなのに掘り下げられないからサラッと流されちゃって今どこ過去現在未来?あなたは今、敵?味方?そんなこと言いながら飽きさせずに長時間見せられるんだから凄いんだけどさすがに追いつけない…ってなった。あとスピンオフの意味がいまいち分かんなかったのと、ビューロ以外に宇宙人とかまたそんなチートなの出したら破綻しない…?何せパラデュールが大好きで階段世界わくわくだから肩透かしを喰らったよ。

11月

ゴースト&レディ

開幕前に上手2列目買ってた自分あまりにもナイスだった。グレイロード!このときが1番近かったかなぁ。谷原金本だとやっぱり谷原フローの弱さがずーっと覗いてて、その弱さと向き合い続けて孤独を絶望と泣く小さな女の子がいるように見える。それを違うと、俺(グレイ)がいるだろう?と示す金本グレイがフローの強さの最後の1ピースなのかなぁ。でもそんな金本グレイの言う「我が処女作、ゴースト&レディ」は、全部持って未練ばっかりで燻ってたものを全部昇華して受け止めて、ここまでが己の人生だったと、ゴーストになった理由を飲み込むために書くことが必要だったんだなぁって思った。フローに言った"やりてぇこと"はあの時点ではフローを宥めるために出てきた言葉だったけど出会いから振り返って思い出してるときに「口述筆記!」に気付いてカチッとやりたいこと、やれること、初めて遺すことに思い至る。やりきってフとその"道"に気付く仕草痺れたぁ。わざとらしいと言えばそうなんだけど、初めて気付けたその道を晴れやかに歩いていくのは金本グレイらしかった。

谷原萩原の開幕・サントラメインコンビで迎えた最終週。あのね、萩原グレイが2ヶ月ぶりだったのよ。かっっっこよすぎやしないかマジで!?恋だよ、恋。これは恋。5月からずーっと言い続けてるけど恋。本当に好き。しかもそんなこと思ってたらカテコの最後に後ろに下がっていくフローとグレイがですね、とんでもなくてね。顔見合わせて笑って、グレイが両手広げて待ち構える→フローが飛び込む→それを抱え上げてグレイがくるんって一周回る、って流石にヒャアアアア!?って声出たわ。何してくれんだこの人たち。めちゃくちゃ可愛かったわ。

前楽・千秋楽は配信。気合いの入ったカメラワークにスイッチングありがとうございます!で大満足。不思議な絆とサムシングフォーのリプライズの2画面は配信ならではだったし、あなたの物語の横たわるボブに必死に願うフローと、それを見つめるボブ、柱に持たれて静観するグレイって画角が大好きだった。1週間のアーカイブで余すとこなく見たし、同時視聴会も楽しかったなぁ。名古屋が楽しみすぎる。

アンドレ・デジール 最後の作品

リーディングミュージカルってなんぞやー!?ってなりながら開幕までの期間短すぎで再演決定報がきたのびっくりした。前回もそうだったけど今回もかい!行くけど!小西くんとくり寿ちゃんなんて良いに決まってんだろおおおお!の予想通り、大変良い回想シーンでした。リーディングだったから(みんなが台本持ってたから)初演のバックハグみたいなあの縋り付くような演出がなかったのだけが残念だったけど。でもキスシーンが大変良かったので満足。大人としてマルセリーナを気遣い、愛して優しいデジール。お互いがふねであり未来が見える嬉しさなのにあの切なさったらないよね。

現地では大人チーム(小西/ネスミス/音)、配信は両チーム見て陽キャな若者チームめっちゃ元気でこんなふうにも出来るのか!って発見だった。初演もあって大人チームくらいの空気感が好きなんだけど幅広く演れるんだなぁ。小西エミールの湿っぽい薄暗さとネスミスジャンの大らかな優しさが掛け違う瞬間が哀しかった。小西くんは絶対ハマると思ったけど想像以上だったな。描きたい!の狂気な衝動が全部違うの。あの目にやられるんだよね。

12月

天保十二年のシェイクスピア

前回観てるはずなんだけど見覚えのあるシーンがほぼなくて初見のような気分だった。なんか高橋一生の三世次が屋根の上で企んでたのは覚えてる…とか。なんでだろって思ったんだけど根本的な話が全く好みじゃなかったからだね…。木場さんの隊長は最高だしあの語り部だからこそ話が一応成立してるけど、それでももやもやよく分かんなかったなぁ。浦井くんはちょっとカジモドみたいだったけどパッと華があるこういう見せ方が好き。ふうかちゃんは可愛かった。二役入れ替わりのところ、歌舞伎だなぁって観てたんだけど追いかけるように同時に出てくるように見えて驚いた。あれは客席ざわつくわ。

歌舞伎NEXT 朧の森に棲む鬼

Wのライをそれぞれ1回。2階1列松也ライ、1階3列幸四郎ライって我ながら贅沢〜!だった。最高。演ること発表されてからずっと楽しみだったのを昇華させてくれてありがとう。

ライの2人は結構違うキャラクターで、気の良い兄ちゃんな松也ライは堕ちていき、鬼への素質全開な幸四郎ライは駆け上がっていくようだった。本当に2人とも違うかっこよさ、目の離せなさで大満足。さらに時蔵ツナの美しく強い姿(ツナさまぁぁぁぁ)、染五郎シュテンの若き王なんてそんなの全員好きだろうが???の清廉さ、右近キンタの理想の弟分(硬派なんだよぉ!は最早可愛い)、カチッと締めてくれる猿弥マダレに亀蔵ウラベ、お茶目でただただ平和を望んでる懐の深い彌十郎オオキミ(いっちゃん!)、新悟シキブは蝶よ花よと育てられただろう純粋さとそれ故の結末が悲しくて見所しかなかった。なんて面白いんだ。新感線仕様かそれ以上のカメラが入ってたっぽいからシネマ歌舞伎も円盤も楽しみだー。

next to normal

前回公演のときは安蘭さんチームしか観なかったから望海さんダイアナも甲斐くんゲイブも渡辺さんダンも初見。なんならナタリーの小向なるちゃんとヘンリーの吉高志音くんは完全にはじめましてで、でも無茶苦茶良かった。この座組だとすごくダイアナとダンとナタリーの3人の家族の話になるんだね。前回は母と娘、父と息子、ダイアナとゲイブの共犯感、みたいな印象だったんだけど全然違って驚いた。甲斐くんのゲイブはいっそ狂気的でダイアナに自分のことを忘れさせてなるものか、と恐怖で縛るような片鱗が見えてI'm Aliveなんて本当ゾッとしながら見てたよ。圧が強い。ずっと何か企んでるようでナタリーのこととか全然眼中になくみえる。海宝ゲイブってもうちょいナタリーのこと見てた印象だったんだよね。「おはよう、お嬢さん」が大好きだったし手当たり次第に薬を口に入れていくナタリーを心配そうというか憐れむというか優しさが覗くように見てた気がしたんだけど、甲斐ゲイブ全くないように見えて本当にダイアナだけを支配したいようにみえた。1幕。

2幕は少し印象が変わってくんだけど、でも"いない"存在感が強かった。亡くなった赤ちゃんのゲイブは家族だったかもしれないけど、ダイアナの見るゲイブはもっと異質なものでダイアナが惹かれながらも離れたいように見えるのも分かる。甲斐くんマジですげぇな…。 小向ナタリーがダンに言う「ママはパパのことを信じてるのに!」って台詞が強くて、ナタリーも壊れそうになりながら2人のこと信じてるんだなって。そこにあるのは家族で、フラットにいるヘンリーがとても良かった。ちょっと弱々しくてでも優しい。ダイアナが「ナタリー!」って叫ぶのが分かるし、冷静な母親としてのダイアナがナタリーをパーティーに行かなくちゃ、ってしてくれるのも嬉しい。ちゃんと見てたし、考えてた。渡辺ダンも必死だったんだろうなぁっていうのが分かるし、あの穏やかな声が凄く好き。ダンとゲイブのところすごく良かった。あの辺の2幕後半泣きっぱなしだよね。

たまたまイープラの貸切公演に行ってたからカテコで挨拶があったんだけど、望海さんはあんなにふわっふわで大丈夫なの…?すごい空気を中垣内さんがどうにかしようとして諦めたよ…?w プラみちゃんのポーズ!とか、望海さんにプラみちゃんは何してる人でしょうか!って若者2人!って振られて「えっ、えっ?なるちゃん分かる…!?」って小声でテンパる志音くんは可愛かった。菩薩か?みたいな佇まいで全く喋らない甲斐くんとか、「ちょっとごめん、ちょっといい?」って下手最前列のお客さんのとこに駆け寄って「本当にごめんなさい…!怪我はなかったですか…!」ってし始める渡辺さんとか(劇中でオルゴールがめっちゃすっ飛んでったな…と思ったらやっぱりハプニングだったらしい)なかなかカオスな挨拶だった。本編とのギャップよ。「お客様に心配されるんですけど、元気にやってます!」な望海さん、大変説得力があった。素敵です。

モンスター

芝居巧者の4人芝居。本当胸糞悪くてしんどくて1幕で帰りたくなってでもこれが演劇だなと思った。現実にあること、普段は蓋をして見ないようにしてるだろ?ってことを突き付けられる。救えないと線を引くのに、いつその救えないとされる側になるか分からない恐怖。自己責任。責任なんて負いたくない。変わらないけど変わるもの。変わりたくて変わらないもの。いつどこで壊れるかなんて分からない。何とかして生きていく。

お久しぶり!な風間さんは相変わらずこういう役が上手いよねっていう安定感。振れ幅の大きな広大くんは怖いんだよ…。頼むからそろそろ希望の光をやってくれ…。笠松さん那須さんの女性陣もとてもリアルで、観客は笠松さんのジョディに1番寄るのかなと思った。ダリルと対峙する目と、関係ないわよ!って叩きつける台詞が凄く良かった。

くるみ割り人形

恩田さんのspringを読んでバレエが見たいなぁって思ったタイミングと、年内めっちゃ重そうなモンスターで終える気か…!?って気付いたタイミングが重なって、この時期ならくるみ割り人形だな!で見に行った。新国立のオペラハウス初めて入ったー。広い!どの界隈も子役は完璧だわ…って感慨から、華やかキラキラのファンタジーの絵本を見てるみたいな展開で楽しかったぁ。音楽で子どもの頃を思い出すからどうしてもノスタルジックなのよね。上から見てたから群舞のステージングのなんと美しいこと!っていうのだったり、舞台美術も衣装も綺麗で主役のソロ、パドゥトゥを堪能して良い締めだったー。

 

全部で60公演くらい。プラス配信が年越しとゴスレ、アンドレジールかな。

なんといってもゴースト&レディの年でした。最高!最高!5月に観た時点でもう今年NO.1だと思ったし揺らがなかった。本当に大好き。名古屋も大阪も楽しみだ。そんなゴースト&レディを含めた四季をよく観た1年でした。アラジン3回、美女と野獣2回、アナ雪、ウィキッドジーザス〜、オペラ座の怪人かな。来年はバックトゥザフューチャーが待ってるぜー!映画見たことないからこれはもう見ずに行こうと思う。

他に印象に残ってるのは千と千尋の川栄千尋・新井ハク、小西くんの鉄鼠の檻アンドレジール、朧の森に棲む鬼のWライかなぁ。来年はイリュージョニスト!!!やっと本公演だよーーー!めちゃくちゃ楽しみ。他にもどんな出会いがあるかワクワクしておこう。

今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします!