髑髏城の七人season月ー上弦の月ー

あまりに変わりすぎてて、久しぶりにどわーっと書きたくなった。

 

12月10日ソワレ、1月23日ライビュソワレ、そして2月6日ソワレを経た感想文。…ソワレしか見てないんだな。

 

12月に見たときは、あまりの歪さになんじゃこれー!?ってなって、地獄絵図…理解…、そもそも誰が喋ってんのか分かんねぇ…っていう帰り道で、なんなら何したって月髑髏のマイ楽が上弦とか無理!って下弦のチケ足して、下弦ライビュ日の休みを取ったくらいなんだけど(上弦ソワレ見た次の日に仕事とかほんとつらい…無理…)(そのときはまさか下弦ライビュマチソワする気なんてなかった)。ライビュ見に行ったら歪さがなくなって、えーーー!これ知らないーーー!なんかめっちゃ好きな感じになってるーーー!ってなったんだけど、2月6日ソワレに行ったらまた違って…いや、どうせ変わるってのは分かってたんだけど、思ってもみない方向に変わってて、それをどうにかこうにか消化したいっていう思いで書き始めてみる。どうにかなるのか…いや、どうにか落としどころくれ…。

 

  • 捨之介

歪さの原因その1。最初に見たときは、こーんなあっけらかんとして、明るくて爽やかな若者が、どう見たって年長に見える天とか蘭に、なんで上から目線で話すんだ…?ってところが全く腑に落ちなくて、なんか生きてないんだよなぁ…と思った。だから、もっと大好きだったお兄ちゃんである天とか蘭を救いたい!って話にすればいいのに、と思ったんだけど、これがびっくり、ライビュを見に行ったら物凄くそこに生きていて、天よりも年長?蘭とは同輩?くらいに見えたことに衝撃を受けた。おい、無茶苦茶良くなってるじゃないか…!ここでスッパーン!と福士捨之介あり!かっこいい!ってなって、なんなら自分で1番驚いた。

2月6日ソワレも基本はその方向で、贋鉄斎とまぁ遊び始めたな、ぐだっぐだだなwwwって感じだったんだけど、捨天ラストからのあの生気のなさはどうした…何その作り笑顔。あなたもっと綺麗に笑えてたでしょうよ。天の落ちた先まで見に行く月捨初めて見たし、もうここからの闇落ち捨之介がえっらい引きずる。暗い。暗すぎる。霧丸の「地の男だろ!生き抜けよ!!!」も、太夫の「あんだだけでも生きなきゃ」も聞いてない。よくもまぁまた会うぞ、とかのたまわったな!?って言いたくなるくらい、天のラストに覆いかぶせられてる。死にたいんでも、死にそうでもない、生きてない捨之介。そりゃ、首差し出すわ。正直霧丸固定カメラをしてたもんであんまり捨之介を見れてないんだけど、「捨てるっていうのは、口で言うほど簡単じゃねぇな」で、やっと生気が戻ってきて、泣いて、霧丸の手を取って、見つめて、抱きしめるの可愛すぎだった。生き返った…良かった…。でもあの抱きしめるのはライビュの肩に頭乗せて縋り付くくらいが大変よろしかったので、ゲキシネ、円盤があれであろうことが物凄く嬉しい。あの弱い感じたまらない。

 

  • 天魔王

歪さの原因その2。…っていうか、12月からライビュの変わりっぷりはだいたいおめぇのせいだ!知ってたけど!本当に浮きまくりだったんだよ、12月。そりゃあ圧倒的技術力に蘭兵衛2周からの天魔王って髑髏城の世界線生きすぎだし、死にすぎだし、あんたの大勝利ですよって。あんなに殿から愛されてなくて、でも愛されたくて愛されたくて、なのにやることなすこと裏目に出て、人心を掌握する能力はあるのにそれが届いて欲しい人には全く届かなくて、癇癪を起こす子供であるところの天魔王に、全く容赦なく救いのない話であったあの12月の上弦は、それはそれで凄く面白かった。まさかこんなアプローチかって衝撃を受けたし、だからこそそれを活かしてあげられる座組が欲しかったんだけど、そっか…やっぱそうなったか…って思って残念だった。そう、残念だったって思ってしまったんだよね。でも、ライビュではそれが払拭されてた。殿からの愛はやっぱり見えなかったけど、自分が殿を好きで、愛して、愛したが故に同じになりたくて、真似っこして殿として生きたかった、逝きたかったのがこの天魔王。人の男である人心を掌握する能力と、殿の化身である天魔王で振り幅が持たれてるな、と思った。

そういう意味では2月6日ソワレでも、天魔王の印象はライビュからあんまり変わりなかったかなぁ。あー、企んでるね、そうだよね、っていうどこまでも嘘な顔はとても上弦天らしい。口説きの好き放題っぷりったらなんなのよ。やる側楽しいんだろうね、っていうのは中の人の話。いきなり蘭に噛みつこうとして拒否られて舌ぺろりってしたり、殿の仮面を持ちながら優しい顔して蘭に手伸ばしたり、そもそも口移しの前にガッと蘭の髪の毛引っ張って仰向かせてからのあの口移しの長さなんなんです…!?鳥もよっぽど長かったけど、月蘭受け入れすぎだからもはやがぶがぶ食べられちゃってるじゃん!?…いやぁ、楽しそうで何よりです(2回目)。天蘭ラストが一番顕著だと思うんだけど、あの「良いことを教えてやろう」までの強めな口調から、突然変わる「殿は最期まで」からの優しい口調が怖すぎて震えた。異質…でも、この話のなかで、その異質さ、異彩さが放たれるようになったことがすごく良かった。

 

  • 蘭兵衛

歪さの原因その3。ライビュから2月6日ソワレで別人だと思ったんですけど、どうなってんですか蘭兵衛さん…。そもそもライビュの蘭が大っ好きだったのがこの歪さに繋がってるんだと思うんだけど、上弦ライビュで初めて蘭という役をかっこいいと思ったんだよね。これまでも蘭が好きだったし、たいていのヲタクは蘭が好きでしょ?って思ってるんだけど、かっこいいと思ったことはなくて、その気持ちが物凄く新鮮だった。月蘭、基本的にチョロイから、ちょっとそこは置いといて、ってしないといけないんだけど、登場シーンとか黄泉の笛とかかっこよくて大好きだったの。この蘭は、きちんと無界屋を守りたい蘭だし、“守る”剣を持った蘭だな、って。この台詞、上弦蘭だとこんなに響くんだ…!って思ったんだよ。思ったんだよ、なぁ、下弦蘭?無界襲撃にしたって、この人、正気でやってんだろうなって。蘭兵衛だ、蘭丸だ、じゃないところで、一人の男として、やってることの意味も分かっていて臨んでいるんだろうなって感じた。

それがですよ。えーと、何がどうしてこうなった、2月6日ソワレ。テンションひっく…!?って一幕からの、笑いすぎ二幕の変化についていけません…!えーーー!えーーー!ちょっと待って、私の好きだった上弦蘭どこっすか…!もはや別人。なんなら天魔王より狂気。…凶器?誰か手綱つけて括っておいて、近付くな、危険!もうほんと、壮絶なまでに笑う。ひたすら凄んで笑ってる。目とかギラギラしてるけど夢見酒の薬の量、間違ってないよね、天魔王様!?またこれはこれで見たことない蘭だわ…ってなってものすごく怖かった。無界襲撃の動きなんて天魔王様とシンクロしてたよ…マジでか…そこまできたか…。

 

  • 兵庫

そしてここへ来てやっと救いが現れる。間違いない。登場からラストプロポーズまで本当に間違いない。間違いなさすぎて言うことがない。

上弦兵庫はアクションも凄いんだけど、コミカルさとか、あしらわれたってめげないもん!って可愛さとか、死んじゃやだ…って泣く子供のような純粋さが前面に出てるから、最後のプロポーズで出てくる男前さが際立つのかな、と思う。「日ノ本一の綺麗な背中だ、見失うわけがねぇ」「追いついて、追い越して、…前から受け止める」ここの台詞回しがたまらなく好きで、毎回泣くし、毎回惚れる。ここと、無界襲撃あとの裏手で言う「人を斬るのは一度でたくさんだと思ったが」のところが無茶苦茶好き。兵庫がずっと地に足ついてくれてるから、この話はきちんと着地するんだよな、と思う。カテコで絶対太夫の裾もって帰るのも可愛いんだよなぁ。たまにやっぱりあしらわれてたりねー。

 

  • 霧丸

今日の本題です。え?もうね、捨天蘭はいいよ、お前ら!ってなるときがあるから。なったのを整理するために書き始めたけど。全てを救うストーリーテラー霧ちゃん。全て?捨之介と観客ですよ。

上弦霧丸は感情溢れると涙になるタイプ(可愛い)。だけどそれを凄く恥ずかしがるわけでもなく、自己嫌悪するわけでもなく、それほど隠すこともないあたりが、そのまんまを受け入れられて、愛されて、穏やかに育てられたんだねぇ、と思わせる。で、聡くて賢くて優しい。ある意味、捨天蘭より大人だと思えるのは、この子は現実を分かってるし、熊木の長ではあるけれど、自分がみんなのために起ってたのではなく、守られてきたことに自覚があるから。熊木の真ん中にいて、ほわわんとして、みんなが大好きで、その延長に城を作ることがありそう。あとあの困り眉とあひる口がめちゃくちゃ可愛い。

捨之介に出会って明日を向くことを教えられるけど、ぶっちゃけあのまんま秀吉軍までたどり着いて天魔王に復讐出来たルートで生きていっても、きっと前を向けるしなやかさはあったんじゃないかなぁと思う。そっちのルートいったら、復讐終わったところで気が抜けて、へたり込んで、でも御霊の恩返しとかし始めそう。みんな、終わったよ、って。秀吉にはちょっと感謝とかされて、さくっとこっちでも城作れとか言われて巻き込まれて、なんだかんだで生きていく。でも、そこには捨之介はいない。捨之介に霧丸は必要不可欠だし、霧丸いないと多分捨之介に生気は戻ってこないけど、霧丸に捨之介がいないと城を作るということに対する霧丸の意識の変化がなかったんじゃないかなと思う。「あんたにぴったりの城を作ってやるよ!」っていうような、戦いのためではない城を作ることにはならなかった。捨之介と出会って、無界の人たちと出会って、別れたことが、どんな城を作りたいか、戦のなくなる国に、どんな建物が必要なのかを考える霧丸になったんじゃないかなぁと思う。だから髑髏城は、霧丸の成長物語。

賢い子がとてもとても好きで、その賢い子のギャップに弱いから、鳥沙霧の突然口悪い感じとか最高なんだけど、上弦霧丸はあの泣いちゃいそうな庇護欲かきたてられるところがたまんない。かきたてられるけど、あの子たぶん1人で立ってるし、立っていられるだけの強さがある。「ありがとう」って素直に思って言えるようになって、最後パァァァァ!って笑ってくれるからハッピーエンド。ぶんぶん手振るの可愛すぎか…って、だいたい昨日霧丸固定カメラしてたから本当は可愛いしか語彙出てこなかったんだけど、なんだかよく書いた…。